「勇、親神様のお姿は知っているか?」
「聞いたことがあるよ、龍と蛇だよね」
「そうじゃ」
「くにとこたちのみこと様は、頭が一つで尾が一つの大龍」
「おもたりのみこと様は、頭が十二で尾が三つで先に剣が付いている大蛇」
「でもな勇、姿形が大事なのではない、その意味合いが大事なのじゃよ」
「くにとこたちのみこと様は、男の神様だから、男の理を表している」
「おもたりのみこと様は、女の神様だから、女の理を表している」
「頭が一つで尾が一つと云うのは、首尾一貫で、主張や物事に対する姿勢が一貫して変わらないことをいう」
「また、頭が十二と云うのは、同時に色々な事を考えることが出来る」
「お前のお母さんは家事をするじゃろ、家事は短い時間に色々な事をしなければならない」
「朝ごはんの準備をしながら、弁当を作る。掃除をして、洗濯もする」
「お前やお父さんを起して、出掛ける準備をさせる」
「これを同時にするのは、女の人でなければ出来ない、ワシには無理じゃ」
「ただ、尾が三つありその先に剣が付いている、と云うのはじゃな」
「これは女の人の前では言えないが、喧嘩をすると尾を引くと云う事じゃ、なかなか仲直りが出来ない。男だったら喧嘩をしても次の日は仲直りして一緒に酒を飲むのが、女の人はそうじゃないな」
「次に、名前じゃが、龍というのは、この世は理の世であると云う事を表している」
「龍はかなで書くとりゅう、これを旧仮名遣いで書くとりよう、そしてりとよの間にのを入れると、りのよつまり理の世となる」
「理とはことわり、法則の事じゃ」
「この世の中は、普遍の法則、天の法則で成り立っている、と云う事を教えている」
「じゃから、男は理屈っぽい」
「大蛇はだいじゃ、そのままで台じゃ。土台、大地」
「建物の土台は動いてはだめじゃ、動いたら建物が壊れてしまう」
「大地が動く事を地震と云う、地震が起きると大きな被害が発生する」
「じゃから、女の人は何事にも動じないようにしなければならない」
「何か非常事態になると、男はあたふたするが、女の人は逆に肝が据わって、冷静に行動することが多いのは、台じゃだからだな」

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