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第三のおたすけ

 最近第三のおたすけがあると考えるようになりました。

 おみちの者にとっておたすけとは身上や事情のおたすけの事を言いますが、それ以外にもおたすけがあるのではないかと思います。

 東日本大震災の時に、多くの人が亡くなりました。そのニュースの中で、家族を亡くしたり愛する人を無くしたりして、自分は生き残り喪失感を憶える人が大勢居たということでした。

 そういう人たちに何か出来るひのきしんはないかと考えました。

 グリーフケアと云うのがあります。

 死別を体験した人が「喪失感」と「立ち直り」の間で心が揺れて不安定な状態となり、同時に身体上にも不愉快な反応・違和感を経験します。これらを「グリーフ」と言います。グリーフの時期には「自分とは何か」「死とは…」「死者とは…」など実存への問いかけをも行っています。

 このような状態にある人に、さりげなく寄り添い、援助することを「グリーフケア」と言います。

 死に直面する事は災害による場合だけではありません。交通事故や犯罪に巻き込まれることもあります。また、病気特に癌などの余命を宣告されることもあります。また、いじめなどになり自殺願望を持つ事もあります。

 死に直面して、精神的に不安定になることは、多くあると思います。

 そういう人たちをたすけることも、おたすけだと思います。

 欧米には、教会や寺院に属さず、施設や組織で働く宗教者である「チャプレン」という人々がいます。特に災害時には、普段は寺院などに所属している宗教者であっても「チャプレン」として被災者に向き合うこともあるそうです。

 最近日本にも「認定臨床宗教師」の資格制度がスタートしています。

 「臨床宗教師」は、被災地や医療機関、福祉施設などの公共空間で心のケアを提供する宗教者です。「臨床宗教師」という言葉は、欧米のチャプレンに対応する日本語として考えられました。布教や伝道を目的とするのではなく、高度な倫理に支えられ、相手の価値観を尊重しながら、宗教者としての経験をいかして、苦悩や悲嘆を抱える方々に寄り添います。 仏教、キリスト教、神道など、さまざまな信仰を持つ宗教者が協力しています。

 おみちでも、臨床宗教師のような、またグリーフケアの出来る人材を育成する必要があると思います。