飲み食い出入りの守護

 親神様の十全の守護の続きです。

「親神様の十全のご守護の五番目は、人間身の内の飲み食い出入り、世界では水気上げ下げの働き」

「人間は生きていくためには食べ物を摂取しなければならない、車が動くためにはガソリンが必要なのと同じだな」

「今はガソリンや軽油だけでなく、電気で走る車が増えてきた。将来は電気自動車の数ががガソリン車を追い越すだろうと言われている」

「話は戻るが、人間が食事をして栄養分を吸収し、不要なものは大便や小便として排泄する、これを飲み食い出入りの働きと云う」

「詳しく言うと、食べ物を口に入れて歯で噛む。食べた物を小さくする事と、唾液で分解する為だ」

「だから歯が丈夫でなければならない。ワシは最近虫歯で奥歯が痛んで良く噛め無いのじゃよ」

「次に、食べた物は食道を通って胃に入る」

「人間は不思議なもので、口から入った食べ物と、鼻から吸い込んだ空気とが途中で一緒になり、すぐ分かれて食べ物は食道に空気は気道に流れるようになっている」

「ところが、間違って食べ物が気道に入る事がある、それを誤嚥と云う。誤嚥した時の苦しみと云ったら大変なものだ」

「胃に入った食べ物は胃液で消化される。胃液は強い酸でたいていのものを溶かすが、不思議と胃壁を溶かすことが無い」

「でも、ストレスなどで胃液が胃を溶かすことがある、それが胃潰瘍だ」

「また、胃液が食道を登っていく事がある、これが逆流性食道炎だ」

「食べ物は胃から腸へと流れていく。腸には、小腸で栄養を取り込み、大腸で不要なものを大便として排泄する働きがある」

「便秘になったり下痢をするのは、大腸の働きが悪いからじゃ」

「このように、人間が生きていくために食事をする事が出来るのは、飲み食い出入りの働きがあればこそで、親神様の素晴らしいご守護なんじゃぞ」

「へえ、そうなんですかい。俺たちは食べ物を口に入れるだけで良いんですね、後は胃や腸が頑張ってくれる」

「そうじゃ。だから親神様のご守護に感謝しなくちゃな」

「また、水気上げ下げとは雨を降らせる働きじゃ。海の水が太陽に温められて水蒸気となり、雨となって降ってくるのも、親神様のご守護なんじゃよ」

「陽気ぐらし世界になったら、雨は月に六日降る。それも夜に降ると教えられている」

「でも、現実はどうじゃ。ゲリラ豪雨のように極端に降ったり、雨が降らずに旱魃になる所もある」

「これは地球温暖化の影響だと言われているが、天の気、つまり親神様の心が戦争や争い事の絶えない人間社会を残念に思っているからじゃないかな」

「親神様のご守護には方角がある。飲み食い出入りの守護は東だ。だから、朝起きする人は胃腸の働きが良いと言われている」

「最後に、飲み食い出入りの出入りと云うように、出るのが先じゃ。赤ん坊はおぎゃあと生まれて最初にカニババを出すが、それがちゃんと出てから食事を与えることが大事だそうじゃ」

「何でも出すのが先じゃ」

「へい、今度美味しいお酒を持ってまいりやす」