種と苗代

 親神様の十全の守護の最後です。

「親神様の十全のご守護の九番目は、男雛型種の働き、十番目は女雛型苗代の働きじや。」

「これはチョット分かりにくいので、リンゴに譬えて話しよう」

「リンゴの花の雄蕊の花粉が雌蕊に付いて受粉する」

「リンゴは人工授粉と云って人の手で受粉作業をした。今はマメコバチによる受粉が主流だが」

「受粉すると種の元が出来る」

「実が大きくなると同時に種も形が出来る」

「リンゴの実を人間や動物が食べて、種を大地に捨てる」

「その種が大地の土の中に埋まり、時間が経つと芽を出す」

「芽が成長してリンゴの木に成る」

「へえ、そうやってリンゴが出来るんですか!」

「そうじや」

「話を戻すと、受粉は雄蕊の花粉、これは男一の道具で人間では精子、が雌蕊、これは女一の道具で人間では卵子、と結合することだ」

「人間では、セックスをして精子が卵子と結合して受精する」

「これは、月よみのみこと様とくにさづちのみこと様のお働きによるもの」

「次に、受粉して出来た種が、大地の土の中に埋もれる、人間で言えば、受精した卵子が子宮に着床する」

「でも、大地に落ちた種が土に埋もれても、すべてが芽を出すとは限らない」

「これは、いざなぎのみこと様の種の働きと、いざなみのみこと様の苗代の働きがあって、出来る事だ」

「芽が生えたリンゴの種は、雨と太陽の温みで、また大地からの栄養を吸収して大きく育つ」

「これは、くにとこたちのみこと様の水の働きと、をもたりのみこと様の温み、火の働きがあって出来る事だ」

「リンゴも他の有性生物もすべて、今言った親神様の十全の守護の中の六つの守護により、生まれそして成長するのじゃよ」

「今言った働きは、お互いに補い合う働きの組み合わせで、人間で言えば、月よみのみこと様とくにさづちのみこと様は男と女」

「いざなぎのみこと様といざなみのみこと様は夫婦」

「くにとこたちのみこと様とをもたりのみこと様は父親と母親」

「生物が生まれ育っていくのは、人間で言えば、男と女の大人になり、夫婦となり子供が出来、父親母親として子供を育てる、人間として成人していくの似ているではないか」

「へえ、そうですね。わしも親になるよう成人しなくちゃ」