教祖を「おやさま」と呼ぶのは何故

 天理教では、教祖のことを「おやさま」とお呼びしています。字は「教祖」と書きますが、読み方は「おやさま」です。

 教祖は中山みき様と申し上げます。

 天保九年十月二十六日、親神様が入り込まれて、中山みき様は「月日の社」となられました。

 月日の社とはどういう事かと云えば、天理教の原典であるおふでさきに

 いまなるの月日のをもう事なるわ

 くちわにんけん心月日や      一二 67

 しかときけくちハ月日がみなかりて

 心ハ月日みなかしている      一二 68

と、お記し下さいますように、教祖の身体に月日親神様が入り込まれまして、いろいろとお話をされたと云う事であります。

 月日とは、親神様を、天にある目に見えるお日様とお月様のように、私たちのお守りくださる存在である、と云う意味で月日と称えているのです。

 教祖は私達に親神様の教えを言葉で伝えると共に、文字で伝え、またご自分の姿で伝えられました。

 文字で親神様の教えを伝えられたものに、「みかぐら歌」と「おふでさき」があります。これは教えの原典であります。

 教祖は、立教の日である天保九年十月二十六日、御年四十一歳から、現身を隠された明治二十年陰暦一月二十六日、御年九十歳までの五十年間、子供を(人間を)たすけたいと云う親心で、幾重の苦労の中も通られ、私たち人間が歩むべき道を、ご自分の姿をもって教え導かれました。それで、教祖をひながたの親とお慕いしているのです。

 教祖を何故「おやさま」とお呼びするのかは、まず、教祖は今から約九億十万年前に、親神様が人間を造られた時に、母親の雛形となった魂をもって生まれたお方である、と云う事です。

 次に、教祖は、親神様が入り込まれて月日の社となられ、私たちを教え導くために、雛形の親となって慈愛を持って通られた事で、私たちは実の親と同じように親しみを込めて「おやさま」とお呼びしているのです。

 それで、教祖殿に参拝しますと、誰でも自分の家に帰ったような安らぎと暖かさを感じるのです。