風邪とコロナウィルス

 隣りのトメさんがやって来ました。

「ナオじいちゃん、コロナウィルスが流行っているね」

「そうだな、世界で大流行しているな。日本でもどんどん増えていくだろうな」

「うちのかかあは俺に、外出自粛だから飲み屋に行っちゃいけないと言うんだヨ」

「こちとら、一杯やるのが唯一の楽しみだっていうのにさ」

「コロナはトメさんの楽しみまで奪ったか!」

「コロナウィルスって何なんですかね?」

「風邪の親分みたいなもんかな、インフルエンザと親せき」

「風邪を引く、と云うだろう。教祖の逸話にこんな話がある」

教祖は「人間の首から上にな、四つのひき手がある。目、鼻、耳、口と四つある。その目でいいもの見ると、いいなと言うてわしのとこへ引っ張ってくる引き手や。目で見ていいなというのは引っ張って来る。鼻で嗅いていいなというのは引っ張って来る。口で味おうていいのはみんな持ってくる。病気は沢山あるけど、この四つの引き手から自分のとこへ持ってくるから病気が始まる。病は沢山あるが四百四病と言う。あの四というのは、四つの引き手のこと言うてるんやで。それで風邪はな、自分がおいしいと思うたら、人に食わさなならん。自分が見ていいなと思うたら、人にも見せて喜ばしてやらなならん。匂い嗅いでいいなと思うたら、自分だけ匂い嗅がないで、人にも嗅がせて喜ばせなならんで。耳に聞いていいなと思うたら、その話を人にも聞かしてやらないかんで。そうしたら風邪ないで、風邪は身びいきや」と、やさしくお諭しくだされた。

「今のコロナウィルスのように世界的に流行したり、東日本大震災のように多くの人が亡くなるのは、我々一人一人が今までの心遣いを改めなければいけないとワシは思う」

「流行語に、『○○ファースト』と云うのがあるが、これは○○を中心に考える、○○を優先して考える、と云うことじゃろ」

「これは、要するに自分さえ良ければよいと云う考え方、身びいきなんじゃヨ」

「世界で一番感染者の多い国の大統領は何と言っているか知っとるか」

「たしかに、○○ファーストと言ってますね」

「わしらも他人事と思わず、身びいきしないように、喜びや楽しみは他の人に分けてあげる気持ちにならんといかんな」

「そうですね、おいしいお酒はかかあと一緒に飲むことにします」