その四 ストーカー疑惑

 気の弱いHS君が、女子クラスの子を好きになりました。思い切って相手に声を掛けてメールを聞くと教えてくれたそうです。早速メールを送りましたが、返事が返ってきません。

 何故返事をくれないのか聞きたいのですが、彼には勇気がありません。そこで、友達三人が彼を連れて聞きに行くことにしました。でも、間が悪いことに、彼女が過呼吸の発作を起こしてしまったのです。

 しばらく経って、女子クラスの数名の人が、先生方に話があるというのです。そこで、我が一組の担任、副担任、女子クラスの担任、副担任、と修養科の先生方とが話を聞くことになりました。

 話は、ストーカーに遭ったと云うのです。そのストーカーとは私のクラスの修養科生三名だと云うのです。HS君のメールの事を聞きに行った三名です。

 そこで、その三名に話を聞くことになりました。何回か話を聞いて、ストーカーは勘違いだったと云うことが分かったのです。

 でも、疑惑を掛けられた三人の心の傷が癒えるには一ヶ月ほどかかりました。

 HS君は、ストーカー疑惑を知ってか知らずか、明るくなりました。

 HS君は自殺未遂をしたことがあります。本人曰く、気が付いた時はベットの上にいたそうです。義眼と足に金属が入っているそうですが、首に人工呼吸用の手術跡がある以外は気を付けてみないと分かりません。

 おてふりは覚えるのが苦手のようで、よろづよ八首は全部覚えるから見ていて下さい、と云います。でも、ひのきしんは一生懸命やっています。ただ、遊びに誘われるとふらっとそっちに行ってしまう傾向があります。