その六 重い身上者

 KBさんは高齢でがんの手術をしました。MKさんは肺の病気です。二人とも重い身上です。

 KBさんが修養科に入ったのは、天理の病院に通院するためで、自宅の静岡から毎週一回天理まで来るのは交通費がばかにならないからです。KBさんは現役の会長さんです。

 一ヶ月目は体調次第で休むことが多々あり、中頃に肺炎に罹りました。でも、皆さんにおさづけを取り次いで頂いて、二日休んだだけでご守護頂きました。それから少し変わりました、何のために修養科に入ったのかを考えたそうです。

 以来、午前の授業には出るようになりましたが、午後は体調が悪いと時々休みます。

 二ヶ月目に、自分の教会の月次祭に帰りました。奥さんに懇願され月次祭の祭主を勤めるためと、信者さんのお葬式をするためです。

 基本的に、特別の理由が無い限り、修養科生は修養科の授業等を休むことは出来ません。一期講師も当然そうです。私はお蔭様で風邪を引くこともなく休むことはありませんでしたが、同期の先生の中には風邪を引き熱がありながらも、授業に出た方も居ます。先生の代わりは無いからです。

 自分の教会の月次祭を勤める事が、授業を休むことが出来る特別な理由に当たるかどうかは分かりませんが、KBさんが三ヶ月目も自教会の月次祭に帰りたいと言われた時、私は次のように話しました。

 「もうこれ以上休むと修養科を修了できないかもしれません。あなたは教会長さんですね。あなたがもし修養科を修了出来なくて、信者さんに修養科を勧める事は出来ますか?」

 KBさんの三ヶ月目はほとんど休むこともなく、また元気になられて修了しました。悟りが早いですね。

 MKさんは、当初はここで出直すかも知れないと思ったそうです。胸が苦しく吸引器は欠かせないのです。病院に通院されると聞き次の日に詰所を訪問しておさづけを取り次がせてもらいました。一ヶ月目は体調の波があり休みがちでしたが、少しづつご守護頂いてきました。

 胸の方はだいぶ良くなったのですが、今度は足が浮腫んできました、そして休むことが増えてきました。詰所の教養掛の先生と相談をして、車椅子を使ってもらう事にしました。車椅子の世話は朝礼の時に詰所の先生から修養科生に引き継ぐ形を取りました。本人は最初は良い顔をしなかったのですが、だんだんと喜ぶようになりました。三ヶ月目は、午前中は車椅子を使わずに、午後から車椅子を使うようになりました。修了の時はだいぶご守護頂きました。