こどもの祭典つづき

 こどもの祭典つづき

 バスはおぢばへ着きました。

 神殿の前で、団長さん以下総勢十六名は、バスを降りて参拝します。

 参拝場には他の団体の人たちもいました。

 親神様の前で、帰参の御礼のおつとめをして、教祖殿、祖霊殿と参拝して宿泊する詰所に向かいました。

 今年もこの季節は蒸し風呂のように暑いです。でも、子供たちは元気いっぱいで、すぐにでも行事に参加しようと、係員のお兄さんを急かせます。

 こどもおぢばがえりの行事には、「しこみ・ふせこみ」行事と「おたのしみ」行事があります。

 しこみ・ふせこみ行事は、おつとめを学んだり、親神様のお話を聞いたり、おつとめの鳴り物の練習をしたり、廻廊ふきひのきしんなどがあります。

 また、お楽しみ行事は、プールで泳いだり、劇やショーを観たり、アドベンチャーゲーム等で楽しんだりと多彩です。

 でも、何といっても一番の楽しみは、おやさとパレードです。

 期間中、毎夜、鼓笛隊がパレードをします。参加団体は大人と子供を合わせて数十団体で、毎日異なった鼓笛隊が演奏を披露します。このおやさとパレードを観て、自分も鼓笛隊をやりたいとか、楽器を演奏したいと思った子供は数知れずありましょう。ゆめちゃんもその一人です。しかし夢はずっと先の事です。

 こどもおぢばがえりが、他の遊園地やいろいろな行事と違うところは、この行事に参加する子供たちと同じ年代(中学生)の子供たちが、行事の手伝いをしたり、お茶のサービスをしたり、案内したりと、スタッフとして活躍していることです。

 子供も、お世話してもらうことから、お世話することへ変る事を通して、大人に近づいて行くように思います。

 さて、ここでもゆめちゃんの「どうして」攻撃はありました。

 ゆめちゃんは団長さんに聞きました。

「なぜ、ここをおぢばと言うの?」

 団長さんは次のように答えてくれました。

「ここは、人間の魂が生まれたところです。親神様が最初に人間をお造りになったところです。いわば人間の故郷です。」

「故郷にはおじいさんやおばあさんが居ますね、また、居ましたね。そこで、故郷のように「ぢぢ」や「ばば」が居るから、おぢばと言うんです。」

 ゆめちゃんはなるほどと思いました。