天の預金

 ゆめちゃんは朝起きたら、顔を洗って、神様にご挨拶します。

 今日もおかあさんといっしょに神様をおまつりしている部屋へ行き、ご挨拶をしました。ご挨拶の仕方は、四つ手をたたき、頭を下げます、そしてまた四つ手をたたきます。

 おかあさんは、そのご挨拶の前にゆめちゃんと違う事をします。それは、さい銭箱にお金を入れるのです。

 ゆめちゃんは、何故そんなことをするのか不思議に思っていました。それでおかあさんに聞きました。

「何故、毎日、お金をさい銭箱に入れるの?」

 おかあさんは少し考えてから答えてくれました。

「毎日神様にご挨拶するわね、何故かわかる?」

「ゆめちゃんは朝起きたら、おとうさんやおかあさん、おにいちゃんに挨拶するでしよ。それと同じで神様にも朝の挨拶をするの。」

「でも、神様はおぢばにおられるから毎日は行けないわね、それで家のお社を通して神様にご挨拶をするのよ。」

「うん、わかった。でも、何故お金を入れるの?」

「前に話したかもしれないけど、私たち人間は神様のお働きで生きているの、そして私たち人間の心に合ったご守護を下さるのだけど、誰でも良い心だけではないわね。たまに間違った心づかいをすることもあるでしょ。」

「そんな間違った心づかいをすると、怪我をしたり病気になったりするの。でも、神様は人間の親だからそんなことにならないように心配をしているの。」

「そこで、神様に『時々間違った心づかいをするかもしれませんが、その時は教えて下さい、また大難は小難に、小難は無難にお連れ通り下さい』とお願いしてお金をお供えするのよ。」

「いざという時、お金をたくさん必要とするときのために、銀行に預金するでしょ。それと同じで、いわば天の預金ね。」

「ゆめちゃんの分はおかあさんがいっしょに預金しているから心配しないでね。」

「おかあさんありがとう。」